以前の記事で、Windows11にuvを導入してPython環境を構築する手順を紹介しました。
私はWindowsでCodexを使うためにWSL(Ubuntu)を使っています。
Codexを使って本格的にPython開発を行うため、WSL環境にもuvを導入しました。
この記事では、WSL(Ubuntu)にuvをインストールする手順と、uvでよく使う基本的な操作を紹介します。
本記事は2025年11月に実施した内容です。
WindowsでCodexを使用する場合、WSLの導入が必要です。
WSLの導入、Codexの設定は次の記事で紹介していますので、WindowsでCodexを使いたい方は参考にしてください。
この記事で分かること
uvをWSL(Ubuntu)にインストールする
uvは、Pythonがインストールされていない状態でも導入できます。
インストール手順は次の通りです。
uvの導入にはcurlコマンドまたはwgetコマンドが必要です。
この手順では、curlコマンドを使用します。
curlコマンドはUbuntuインストールに一緒に入っているため、通常はインストールする必要はありません。
下記のコマンドでインストールされていることを確認します。
which curl
# インストールされている場合、下記のように表示されます
/usr/bin/curl未インストールの場合は、次のコマンドでcurlコマンドを入れます。
sudo apt install curl -y次に、uvを公式スクリプトでインストールします。
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh実行すると次のように表示され、uvがユーザーのローカルディレクトリにインストールされます。
(個人PCのため、ホームディレクトリはxxxxに置き換えています。)
downloading uv 0.9.7 x86_64-unknown-linux-gnu
no checksums to verify
installing to /home/xxxx/.local/bin
uv
uvx
everything's installed!
To add $HOME/.local/bin to your PATH, either restart your shell or run:
source $HOME/.local/bin/env (sh, bash, zsh)
source $HOME/.local/bin/env.fish (fish)uvコマンドをすぐに有効にする場合、次のコマンドを実行します。
この設定はuvインストール時にユーザーの.bashrcに書き込まれるので、WSLを次回起動したときは設定しなくても大丈夫です。
source $HOME/.local/bin/envインストールが完了したことは次のコマンドで確認します。
uv --version
# 次のようにバージョンが表示されれば、インストールは成功です
uv 0.9.7uvでPythonのインストール、バージョン確認
Pythonのインストール
uvを使ってPythonをインストールする手順は次の通りです。
手順はWindowsと一緒です。
私はいろいろなアプリやツールを開発するため、uvを使って複数のPythonをインストールします。
次のコマンドを実行して利用可能なPythonバージョンを確認します。
uv python list実行すると次のように表示されます。
(実行結果は長いため、一部のみ表示しています。)
cpython-3.15.0a1-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.15.0a1+freethreaded-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.14.0+freethreaded-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.13.9-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.13.9+freethreaded-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.12.12-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.12.3-linux-x86_64-gnu /usr/bin/python3.12
cpython-3.12.3-linux-x86_64-gnu /usr/bin/python3 -> python3.12目的のバージョンをインストールします。
ここでは、3.14をインストールしています。
uv python install 3.14実行すると次のように表示されてPythonがインストールされます。
私の環境では数秒でインストールされました。
Installed Python 3.14.0 in 2.16s
+ cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu (python3.14)Pythonがインストールされたことは次のコマンドで確認します。
uv python list3.14がインストールされたことが確認できます。
(実行結果は長いため、一部のみ表示しています。)
cpython-3.15.0a1-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.15.0a1+freethreaded-linux-x86_64-gnu <download available>
cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu .local/bin/python3.14 -> .local/share/uv/python/cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu/bin/python3.14
cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu .local/share/uv/python/cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu/bin/python3.14
cpython-3.14.0+freethreaded-linux-x86_64-gnu <download available>他のバージョンをインストールする場合、STEP2でバージョンを変更すればインストールできます。
Pythonをアンインストールする
uvでインストールしたPythonをアンインストールする場合、次のコマンドで実行します。
uv python uninstall 3.14実行すると次のように表示されてアンインストールができます。
Searching for Python versions matching: Python 3.14
Uninstalled Python 3.14.0 in 70ms
- cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu (python3.14)Pythonバージョンの確認・固定
uvで複数バージョンのPythonをインストールしている場合、現在使用されているバージョンを確認する場合、次のコマンドを実行します。
uv python find実行すると次のように表示され、Pythonのバージョンが確認できます。
(個人PCのため、ホームディレクトリはxxxxに置き換えています。)
/home/xxxx/.local/share/uv/python/cpython-3.14.0-linux-x86_64-gnu/bin/python3.14Pythonのバージョンを固定するには、次のコマンドを使います。
uv python pin 3.12実行すると次のように表示されてPythonのバージョンが固定できます。
Pinned `.python-version` to `3.12uvで仮想環境を作る・使う
uvの大きな特徴の一つは、仮想環境を瞬時に作成できることです。
開発用フォルダごとに環境を分けることで、ライブラリの衝突を防ぐことができます。
仮想環境の作成
仮想環境を作成したディレクトリで次のコマンドを実行します。
uv venv実行すると次のように表示され、仮想環境のディレクトリ「.venv」が作成されます。
Using CPython 3.14.0
Creating virtual environment at: .venv
Activate with: source .venv/bin/activate仮想環境を作成する際にPythonバージョン、仮想環境名を指定する場合、次のコマンドを実行します。
uv venv sample_env --python 3.13実行すると次のように表示され、指定した内容で仮想環境が作成されます。
Using CPython 3.13.9
Creating virtual environment at: sample_env
Activate with: source sample_env/bin/activate仮想環境の有効化・解除
仮想環境を有効にするには、次のコマンドを実行します。
source .venv/bin/activate有効化すると、ターミナルの先頭に次のように仮想環境名が表示されます。
この状態では、その環境専用のPythonやライブラリが使用されます。
(sample) user@mypc:~/project/sample$仮想環境を有効した場合、次のようにpythonコマンドを使用することができます。
python --version
Python 3.14.0仮想環境を終了するには、次のコマンドを実行します。
deactivate仮想環境を有効しないでPythonを使用する
仮想環境を有効しない状態でPythonを使用する場合、次のように実行します。
# pythonを指定して実行
uv run python sample.py
# python未指定でも実行可能
uv run sample.pyuv pipでパッケージを管理する
uvには、pipと互換性のある独自のパッケージ管理機能があります。
高速で、既存のpipコマンドと同じ感覚で使えるのが魅力です。
パッケージのインストール
仮想環境を有効化した状態で、次のコマンドを実行します。
uv pip install requests次のように表示されてrequestsライブラリは一瞬でインストールされます。
Resolved 5 packages in 182ms
Prepared 5 packages in 58ms
Installed 5 packages in 6ms
+ certifi==2025.10.5
+ charset-normalizer==3.4.4
+ idna==3.11
+ requests==2.32.5
+ urllib3==2.5.0複数のライブラリを同時にインストールする場合は、スペースで区切って指定します。
uv pip install flask pandas numpyパッケージの確認と削除
インストール済みのライブラリを確認するには次を実行します。
uv pip listrequestsライブラリをインストールした場合、次のように表示されます。
Package Version
------------------ ---------
certifi 2025.10.5
charset-normalizer 3.4.4
idna 3.11
requests 2.32.5
urllib3 2.5.0不要になったライブラリを削除する場合は、次のように入力します。
uv pip uninstall requests依存関係を固定する
ライブラリの依存関係をファイルとして出力したい場合は、次のコマンドを実行します。
uv pip freeze > requirements.txtこのファイルを共有すれば、別の環境でも同じ構成を再現できます。
まとめ
Codexを使ってPython開発を進める上で、uvは非常に便利なツールです。
uvだけでPythonのインストールから仮想環境の作成、パッケージ管理まで行うことができるのは魅力です。
pyenv、pip、venvを組み合わせて使うのは手間、仮想環境の作成、ライブラリのインストールにかかる時間を短縮したいと思っている方はこの記事を参考にuvを導入してみてください。