AIでのコード支援に興味を持つ人は増えていますが、どのツールを選べば自分の開発スタイルに合うのか迷うことも多いと思います。
私も最初は、CursorやClaude Codeなどの人気ツールを試そうとしました。
しかし、これらはAPIを使うたびに課金が発生する仕組みで、個人開発では気軽に使いづらいと感じました。

そこでChatGPTに相談したところ、私が契約しているChatGPT Plusの月額費用内で使える「Sign in with ChatGPT」という方法を教えてもらいました。
この方式を使えば、追加のAPI料金なしでCodexを開発支援に利用できます。
実際にコマンドで実行できるCodex CLIは次のように表示されます。

ただし、この機能を使うにはChatGPTの有料プラン(ChatGPT Plusなど)に加入している必要があります
無料プランでは、「Sign in with ChatGPT」を利用したCodex CLIは使用できません。

Codex CLIのWindowsセットアップはChatGPTに聞きながら進めたところ、想像よりずっと簡単に構築できました。
環境さえ整えば、自然言語でコードを生成・修正できるので、開発スピードが大きく変わります。

この記事では、Windows11でWSL(Ubuntu)を使い、Codex CLIをセットアップしてChatGPTと連携するまでの手順を紹介します。
本記事は2025年10月時点で確認した内容になります。

この記事で分かること

  • GitHubアカウントの登録とCodexの連携
  • Codex CLIをWindows 11で使う方法
    • WSL(Ubuntu)の準備とVSCodeからのアクセス方法
    • Node.js+npmをnvmで導入する手順
    • Codex CLIのインストールと「Sign in with ChatGPT」による認証
  • ブラウザのChatGPTからCodexへ連携する方法
  • Codexの動作確認

GitHubアカウントの準備

Codexを使うには、ChatGPTとの連携に加えてGitHubアカウントが必要になる場合があります。
ブラウザ版CodexでGitHub認証が必要になるので、最初に登録しておくとスムーズです。

GitHubは無料プランで問題ありません。
GitHubのアカウントを持っていない場合、次の手順でアカウントを登録してください。

GitHub公式サイトにアクセスして「Sign up」からアカウントを作成していきます。

「Sign up」クリック後、次の画面が表示されるので、メールアドレス、パスワード等を入力して「Create account」ボタンをクリックします。

アカウント登録後、入力したメールアドレスに通知が来るので、メール認証を行うとログインできるようになります。
ログイン後、次のような画面が表示されます。
ブラウザ版のCodexを使用する場合、先にリポジトリを作っておくと便利です。
リポジトリを作成する場合、「Create repository」ボタンをクリックします。

クリック後、次の画面が表示されるので、必要な情報を入力してリポジトリを作成します。
(個人情報に該当する箇所は黒く塗りつぶしています。)

このアカウントは、ChatGPTやCodexとの連携時にも使用します。
事前にGitHubを用意しておくことで、ブラウザ版のCodexがスムーズになります。

WSLとUbuntuの準備

Codex CLIはWindowsを直接サポートしていないため、WSL(Windows Subsystem for Linux) を使ってUbuntu環境を構築します。

WSLのインストール手順は次の通りです。
WSLのインストールは下記の公式サイトも参考になります。
WSL のインストール(Microsoft公式サイト)

PowerShellを管理者権限で開き、次のコマンドを実行します。

wsl --install

コマンドの実行後、次のように表示されるのでインストールが完了するまで待ちます。

インストール完了後、ユーザーアカウント、パスワードを設定します。

設定後、次の画面が表示されればUbuntuのインストールは完了です。
(個人情報に該当する箇所は黒く塗りつぶしています。)

WSLとVSCodeの連携

ここからはVSCodeを使ってWSL上のUbuntuにアクセスして操作を行います。
ここではCodex CLIを動かすために必要な拡張機能を説明します。
VSCodeのインストール手順や初期設定は次の記事を参考にしてください。

VSCodeを起動し、拡張機能(Extensions)から次のWSL、またはRemote Developmentをインストールします。
ここでは、Remote Developmentをインストールしています。

拡張機能のインストール後、次のように選択します。

次のようにターミナルが表示されれば、WSL上のUbuntuにログインできています。
(個人情報に該当する箇所は黒く塗りつぶしています。)

Ubuntuを開いたら、次のコマンドを実行してシステムを最新化します。

sudo apt update
sudo apt upgrade -y

Node.jsとnpmのインストール(nvm利用)

Codex CLIはNode.jsで動作するため、Node.jsとnpmが必須です。
Ubuntuの公式リポジトリから直接インストールする方法もありますが、この方法では古いバージョンが入ってしまうため、Codex CLIでは動作しない可能性があります。
そのため、ここではnvm(Node Version Manager)を使って最新版を導入します。

最初に下記のコマンドを実行しnvmをインストールします。

curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.3/install.sh | bash
source ~/.bashrc
nvm install node
nvm use node

インストールが完了したら、バージョンを確認します。

node -v
npm -v

Codex CLIはNode.js v22以上が推奨です。
次のように表示されればインストールは完了です。

~$ node -v
v25.0.0
~$ npm -v
11.6.2

Codex CLIのインストールと「Sign in with ChatGPT」認証

Node.js環境が整ったら、Codex CLIをインストールします。
Ubuntuのターミナルで次のコマンドを実行します。

npm install -g @openai/codex

インストールが完了したら、Codex CLIを起動します。

codex

初回起動時に次のように「Sign in with ChatGPT」という選択肢が表示されます。

このオプションを選ぶと、ブラウザが開いてChatGPTへのログイン画面が表示されます。
私の環境ではログイン画面が表示されずに次のようにログイン用URLが表示されたので、URLをブラウザにコピーしてログイン画面を表示させました。
(URLはログインにかかわる情報のため、黒く塗りつぶしています。)

ChatGPTへのログイン画面は次のように表示されるのでOpenAIのアカウントでサインインします。
(アカウントは個人情報のため、黒く塗りつぶしています。)

OpenAIのアカウントでサインインし、認証を完了すると自動的にVSCodeのターミナルに戻ります。
VSCodeのターミナルに次のように表示されれば、ChatGPTとの連携が完了です。

Codex CLIのセットアップはChatGPTの認証が通れば、すぐに使える状態になります。

VSCodeのCodex拡張機能

Codex拡張機能をインストールするとVSCodeの画面上でCodexが操作できるようになります。
拡張機能をインストールする手順は次の通りです。

VSCodeの拡張機能でOpenAIのCodexを選択してインストールします。

インストールが正常終了すると次のように画面左にOpenAIのシンボルが表示され、クリックするとCodexの画面が表示されて、VSCodeの画面でCodexが操作できるようになります。

ブラウザのChatGPTからCodexを使う準備

CLIでの認証が終わったら、ブラウザ版ChatGPTでもCodexを使えるようにしておくと便利です。
CLIだけで開発を進めることも可能ですが、ブラウザ側で有効化しておくことで、GitHubリポジトリと直接連携できるようになります。

ChatGPTのブラウザ版を開き、左のサイドメニューに「Codex」という項目があるか確認します。
もし表示されていない場合は、ChatGPTの有料プラン(Plus/Pro/Businessなど)に加入しているかを確認してください。
Codex連携機能は無料プランでは利用できません。

Codexを選択すると次のように表示されるので、作成したGitHubアカウントでサインインします。

サインイン後、次のようにGitHub上のリポジトリが表示されてコードの提案やファイル操作を行えるようになります。
(リポジトリの情報は黒く塗りつぶしています。)

CLIとブラウザの両方から操作できるようにしておくと、用途に応じて柔軟に使い分けられます。

動作確認

セットアップが完了したら、Codexが正しく動作しているか確認します。
まず、CLIでCodexのバージョンを確認します。

codex --version

コマンドを実行すると次のように表示されます。

codex-cli 0.47.0

次に、Codexを使用してPythonのコード生成を試します。
Pythonが必要なため、次のコマンドを実行してPythonがインストールされていることを確認します。
通常、Ubuntsuをインストールするとき、Pythonも一緒にインストールされます。

python3 --version

次のように表示されればPythonはインストールされていることが確認できます。

Python 3.12.3

Pythonがインストールされていない場合、次のコマンドでPythonをインストールします。

sudo apt install -y python3

Pythonのインストールを確認できたら、Codex CLIで次のコマンドを実行します。

codex "Hello, worldを出力するPythonコードを書いて"

実行後、次のように表示されるので、そのままEnterキーを押します。
(ディレクトリ情報は黒く塗りつぶしています。)

数秒でPythonコードが生成されて次のように表示されれば正常に動作しています。

また、ブラウザ版ChatGPTでも同様に動作を確認できます。
ブラウザ版ChatGPTでCodexを選択します。

Codexを開いた後、「PythonのHello, worldを出力するコードを書いて」」を入力します。

入力後、コード生成が実行されます。
タスクにコード生成の状態になるので、終了するまで待ちます。
タスク終了後、完了したタスクをクリックします。

次のようにPythonプログラムが自動的に作成されていれば、ブラウザ版でもCodexが動作しています。

CLIとブラウザの両方で同じ挙動が確認できれば、環境構築は完了です。

まとめ

この記事では、Windows11でWSL(Ubuntu)を使い、Codex CLIをセットアップしてChatGPTと連携する手順を紹介しました。

手順をまとめると次のようになります。

  1. GitHubアカウントを作成する
  2. WSLでUbuntuをインストールし、VSCodeからアクセスできるようにする
  3. Node.jsをnvm経由で導入(公式リポジトリは古い)
  4. Codex CLIをインストールして「Sign in with ChatGPT」で認証する
  5. VSCodeにCodexの拡張機能をインストールする
  6. ブラウザのChatGPTからCodexを有効にしてGitHubと連携する
  7. CLIとブラウザの両方で動作確認

これらのステップを完了すれば、ChatGPT Plusの月額費用だけでCodexの開発支援を利用できます。
セットアップ作業もシンプルで、順番さえ間違えなければ短時間で終わります。

この環境を整えておくことで、AIを使ったコード生成やリファクタリングを効率的に行えるようになります。
今後、この環境を使用してプログラム開発を紹介していきます。