リストや辞書の基本がわかってくると、「件数を知りたい」「値を取り出したい」「並べ替えたい」という場面が増えてきます。
そんなときに使うのが、関数やメソッドです。
この記事では、初心者が最初に覚えると便利なリスト・辞書でよく使う関数・メソッドをやさしく説明します。
なお、関数そのものの考え方(作り方や引数・戻り値)は第6章でくわしく説明するため、この記事ではデータ操作でよく使う形にしぼって進めます。
この記事でわかること
完成コード(まず見てみよう)
最初に、リストと辞書のよく使う操作をまとめて見てみます。
# リストの操作
fruits = ["banana", "apple"]
fruits.append("orange")
fruits.sort()
count = len(fruits)
removed = fruits.pop()
print("リスト:", fruits)
print("件数:", count)
print("取り出した要素:", removed)
# 辞書の操作
scores = {"国語": 80, "数学": 90}
math_score = scores.get("数学")
subjects = list(scores.keys())
values = list(scores.values())
print("数学の点数:", math_score)
print("科目一覧:", subjects)
print("点数一覧:", values)実行結果は次の通りです。
リスト: ['apple', 'banana']
件数: 3
取り出した要素: orange
数学の点数: 90
科目一覧: ['国語', '数学']
点数一覧: [80, 90]このコードはそのまま実行できます。
1つずつ意味を確認していけば、リストと辞書の操作がぐっと楽になります。
テーマの説明(やさしく)
関数は len(items) のように、そのまま名前を書いて使います。
メソッドは items.append("A") のように、リストや辞書の後ろに . を付けて使います。
「list.append() のような形」で説明されることもありますが、実際に書くときは items.append() のように変数名で使うことが多いです。
まず、len() は「長さ(件数)を数える関数」です。
リストなら要素数、辞書ならキーと値の組み合わせの数を調べられます。
次にメソッドは、リストや辞書に対して使う「そのデータ専用の操作」です。
たとえばリストには append() や sort() があり、辞書には get() や keys() があります。
今回のポイントは、次のように覚えることです。
- リスト: 追加・削除・並べ替え
- 辞書: キーを使って安全に取り出す・一覧を見る
具体例・補足説明
件数を確認したいとき
items = ["A", "B", "C"]
print(len(items))実行結果は次の通りです。
3件数を数えるときは、手で数えずに len() を使うのが基本です。
リストを操作したいとき
リストには、よく使う操作がメソッドとして用意されています。
ここでは、追加・削除・取り出し・並べ替えでよく使うものをまとめて見ます。
| メソッド | 何をするか | 例 |
|---|---|---|
append() | 末尾に追加する | items.append("A") |
remove() | 値を指定して削除する | items.remove("A") |
pop() | 要素を取り出して削除する | items.pop() |
sort() | 並べ替える | items.sort() |
次のコードで、4つのメソッドをまとめて確認してみます。
numbers = [3, 1, 2]
numbers.append(4) # 末尾に追加
numbers.remove(1) # 値を指定して削除
last_value = numbers.pop() # 最後の要素を取り出して削除
numbers.sort() # 昇順に並べ替え
print(numbers)
print(last_value)実行結果は次の通りです。
[2, 3]
4remove() は値を指定して消します。pop() は要素を取り出しながら消すので、「削除した値も使いたい」ときに便利です。
辞書を操作したいとき
辞書にも、値を取り出したり一覧を確認したりするメソッドがあります。
まずは、よく使う3つを整理して覚えると十分です。
| メソッド | 何をするか | 例 |
|---|---|---|
get() | キーを指定して値を取り出す | user.get("name") |
keys() | キーの一覧を取り出す | user.keys() |
values() | 値の一覧を取り出す | user.values() |
次のコードで、取り出しと一覧確認をまとめて見てみます。
user = {"name": "Sora", "age": 21}
print(user.get("name"))
print(user.get("city")) # キーがなくてもエラーになりにくい
print(list(user.keys()))
print(list(user.values()))実行結果は次の通りです。
Sora
None
['name', 'age']
['Sora', 21]辞書の get() は、存在しないキーを指定したときに KeyError を避けやすい方法です。keys() はキーの一覧、values() は値の一覧を確認したいときに使います。
おじちくワンポイント
メソッドは一気に全部覚えなくて大丈夫です。
まずは「件数なら len()」「リスト追加なら append()」「辞書の安全な取り出しなら get()」の3つから使い始めると、実際のコードで自然に定着しやすくなります。
関数の作り方や引数・戻り値は、第6章でくわしく確認しましょう。
よくある勘違い・注意点
練習問題
問題1["dog", "cat"] というリストを作り、append() で "bird" を追加してから len() で件数を表示してください。
問題2{"apple": 100, "banana": 120} という辞書を作り、get("apple") の結果と list(その辞書.keys()) の結果を表示してください。